岩波文庫の『千夜一夜物語』27夜目の話に、「ロズバジャ」という料理が出てくる。
ロズバジャという絶品のニラ料理を手づかみで食べた男が、手を洗わずに初夜に挑んだところ、そのにおいに怒った妻の命令で、両手足の親指を切り落とされてしまったという悲惨(?)な話なのだが、以前からこの料理が気になってしかたなかった。なんだかとてもおいしそうに思えて、食べてみたくなったのだが、検索してもわからない。もしかすると架空の料理なのかとさえ思っていた。それが先日、中東方面に詳しい友人に「ロズバジャではなくジールバージャではないか」と教えられた。平凡社の東洋文庫ではそういう記述だそうで、なるほど、それで検索するといくつか見つかる。
そういうことがあるので、ふつうにアラビアンナイトを読むだけでは、生活習慣などわからないようなことも多い。どうしても映画や演劇で作られたイメージからも抜けきれないので、簡単なガイドブックのようなものを探していた。
アラビアンナイト中の有名な作品の紹介と、興味深くわかりやすい解説が交互にあって、アラビアンナイトの全体像を俯瞰できる。
タイトルどおりイラストや写真も大量にあり、読むのはもちろん、眺めているだけで楽しい一冊。
これは2004年に大阪の国立民俗学博物館で開催された特別展『アラビアンナイト大博覧会』の図録だが、通常の書店売りをしている。
こういった企画展の図録は、じっさいに展示を見ていないとおもしろみがないものが多いけれど、この本は大丈夫。企画展の強みで個人蔵の貴重な図版も多く、アラビアンナイトの成立過程(じつはいまだにはっきりしてないらしい)、なかなか複雑な翻訳の歴史、中東世界の衣食住、アラビアンナイトがさまざまなメディアに与えた影響などが一望できる。
民俗学博物館のものだけに、衣装類が充実した展示だったようで、これはもし近くでやっていたら行ってみたかった。
じつは先の「ジールバージャ」の作り方が画像入りでこの本に載っている。ジールバージャは鶏肉料理で、成長した玉ねぎのくきの部分を使うそうだ。日本の万能ねぎに近いのだとか。これが「ニラ」と訳されていたのかもしれない。
わりと簡単にできそうなので、今度作ってみよう。
- 2009/10/21(水) 02:45:35|
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| コメント:3
アラビア系のこういった読み物はなんかキャラの名前覚えづらく発音も難しく、殆ど読んでない現状です(汗
なので、アラビアンナイトや
シェーラひめのぼうけん、日本アニメーション?の千夜一夜物語
とか全部ごっちゃになってますw
ここら辺の神話とかって、なんか共通してるのが
空飛ぶじゅうたん、魔法のランプ、魔人、砂漠、暗殺者
タージマハールの様な宮殿、悪い魔法使いってイメージしか(汗
後、昆童虫さん同様、映画とかそういうので変なイメージ付いてて
特に、社会思想社から出てたゲームブックとか読んで
アラビアにはしきたりとか宗教上の規律とかで
ちょっと残酷残虐な変なイメージ付いてます
半月刀を持って盗賊が襲ってくるとかもw
しかしながら・・アラビアンナイト博物館は行ってみたいですなぁ・・
あ、ローマ展仕事の休みと合わずにいけませんでしたガックシ・・。
毒のいきものは買って読みました。ええ・・これはキモイです。
恐るべきイワスナさんがいらっしゃいました。
よく通ってるコンビニの店員が顔見知り10代の女性なので
ちょと・・ヤヴァイかな~と思いドキドキ
バックヤードで他の店員と、あのお客危ないよ!って言われてたりw
- 2009/11/11(水) 03:45:17 |
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ジールバージャ
強い香辛料の香りと、甘酸っぱそうなカレーシチューっぽいですね。
>日本の万能ねぎに近いのだとか
シリア産のネギらしいですw
- 2009/11/11(水) 20:56:02 |
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連投失礼します。
>日本アニメーション?
これは、その中のアラジンをアニメ化した
アラビアンナイトシンドバットの冒険の意です^^;
- 2009/11/13(金) 02:14:38 |
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