針穴日記

見たり聞いたり思ったりしたことなどをちらほらと。

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挿絵画家英朋

先日、谷中の全生庵で見た幽霊画の中に、ひときわ目立つ美人画があった。
                  yuurei.jpg
                『蚊帳の前の幽霊
作者は鰭崎英朋とあり、明治後期から昭和まで、雑誌や新聞の挿絵を描き続けていた人だそうだ。
ネットで調べても詳しいことはわからなかったので、この本を読んでみた。
eihou.jpg 挿絵画家英朋―鰭崎英朋伝 松本品子著

鰭崎英朋は美人画の挿絵では鏑木清方と人気を二分していたそうで、清方の描く女性が、どことなくはかなげなのに対し、英朋の美人は、切れ長な目のせいもあってか、冴えた大人のイメージがある。これは本当に好対照で、どちらの絵が好みかは読者それぞれで違うだろうから、お互いの人気が相乗作用を起こしていたのだろう。

大正時代と思われるある日の英朋自筆の予定表が載っていて、
それによると

大阪毎日 二枚 一時間
娯楽口絵 一  一時間半
挿画    一  一時間
演芸口絵 一  五時間
文芸挿画 二  二時間

とのこと。相当な過密スケジュールだ。
これは清方も同様だったらしく、ピーク時には睡眠時間が2,3時間という生活をしていたらしい。今ならさしずめ連載を何本も抱えた漫画家といったところか。

大衆娯楽の中でも、挿絵、特に新聞小説の挿絵は、小説が本にまとまるときには使われないので、それこそ一日きりの命。

清方はその後日本画に転向し、画壇で名を残したが、英朋は生涯挿絵を描き続けた。そのためか、スタートは同じでも、現在の知名度はずいぶん差がある。

本文はわりあい短いものだけれど、英朋の師である右田年英のことから、弟子の神保朋世の活躍まで世代を追って書いてあり、わかりやすい内容だった。
  1. 2009/09/22(火) 13:21:04|
  2. 読書
  3. | コメント:2

コメント

全生庵行かれましたか!下町育ちなので私も何度か行って見ました
といっても、円朝まつり行ったついでなんですけどね!(汗

これは幽霊怖いを通り越して、美しいって言うのが印象で
見ていると、段々魂を吸い込まれそうで、そっちが末恐ろしいです
美しい人だの魔物だのに捕り付かれるってあの感覚に陥りそう。

英朋と清方の事は雑誌やTV等で少しは知ってましたが
過密なスケジュールだとは知りませんでした、時間見て驚きです。
正に漫画家や、締め切り当日の動画マン状態(汗

こういうのを見て、眼を閉じると当時の風情とか匂いとか色々
そんなのが観た事も聞いたことも無いのに頭の中に蘇ってきます・・・
  1. 2009/10/04(日) 06:55:48 |
  2. URL |
  3. ヘリオポーズ #pUr.2m86
  4. [ 編集]

ヘリオポーズさん、コメントありがとうございます。

全生庵は前々から行ってみたいと思っていたんですが、ようやく行けました。
英朋の幽霊画は、目が離せなくなるような、惹き込まれるような絵ですね。

>こういうのを見て、眼を閉じると当時の風情とか匂いとか色々
そんなのが観た事も聞いたことも無いのに頭の中に蘇ってきます・・・

同感です。なにか肌にリアルに感じることができる絵なんですよね。
  1. 2009/10/07(水) 15:44:36 |
  2. URL |
  3. kon #-
  4. [ 編集]

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